第116回タスクフォース21
2016.4月例会

講演録

エネルギーと通信の融合による新たな付加価値提供について

講師:株式会社サイサン 顧問 三島 廣 氏  海外事業部 坂本 樹哉

初めに

今日はLPガス事業者の海外展開についてお話します。「ガスワンの地域密着」とタイトルにございますが、海外展開でなぜ地域密着なのかについて、お話させていただきたいと思います。当社は現在5カ国で6社の事業を展開しております。

サイサンの歴史

海外進出志向は創業時から

 私どもの会社は、現社長の川本武彦の祖父である創業者の川本二郎が、1945年10月21日、太平洋戦争が終わった直後に創業いたしました。法人になったのが1954年9月20日です。昨年の8月期売上は、サイサン単体で589億円です。連結で913億円、その中に154億円の海外での売上があります。従業員数は1,150名ですが、海外グループすべて合わせると3,171名となっています。

 海外進出志向は川本二郎の時代からありました。当社はグループとして発展するなかで、DNAである「お客さま第一主義」を基本に据え、創業者から三代にわたって引き継がれています経営理念、社是、心訓、そして現社長が提唱した「凡事徹底」という社員綱領がございます。これらの理念は、英語のみならず、進出国の言語に翻訳しています。また、毎朝の朝礼や、会議の開会時、あるいは閉会時に唱和をして社員への徹底を図っています。

6つのガスワンブランド

 私どもはブランドを6つ持っております。2003年7月に「ガスワン」というブランドを立ち上げました。その際、「ガスワン憲章」を立ち上げ、ブランドの目指す目標の全社員への共有化を図っています。2007年に「ウォーターワン」という天然水の宅配事業を始めました。そして2008年に「リフォーム・ワン」、………本文の続きを読む>>>

エネルギー自由化とLPガス産業

講師:東京理科大学大学院 イノベーション研究科教授 橘川 武郎

初めに

 いよいよ今月から、電力小売全面自由化が始まりました。そもそも「全面自由化」という言葉を使っているところからわかりますが、「部分自由化」は2000年から始まっていたわけです。電力でいうと、3段階にわたって、大口がだんだん自由化されてきて、残された最後の家庭用、小口業務用が開放されたのが「全面自由化」ということです。

 新聞ではこればかり取り上げられていますが、各社の戦略を見てみると、同時に進行しているガスの小売全面自由化、都市ガスのシステム改革と一体となり、これにどう対応していくかという動きが始まっています。重要なのは、その中でLPガス事業者がキープレイヤーとなりつつあるというところだと思っています。

電力・都市ガスシステム改革の全体像

電力・石油・都市ガス・LPガスの動き

電力と都市ガスを比べてみると、去年できた元東大の金本良嗣さんを委員長とする電力広域的運営推進機関というものが、都市ガスにはありません【①】。なぜかというと、都市ガスのパイプラインは全国にはつながっていませんので、広域的運用をやろうにもできないわけです。小売全面自由化、法的分離はどちらもやりますね。ただし、電力のほうは10社ですが、都市ガスは206社もありますので、全部が法的分離をするのではなく、大手の東京・大阪・東邦ガスのみです。

 さて、新聞紙上は電力小売自由化ばかりを追いかけています。果たしてそれでいいのでしょうか? 政府が昨年決めたエネルギーミックスでも、電力需要の見通しは、現状の9,800億kWhが、2030年でもほぼそのまま変わらないで進んでいくだろうとなっています。なので、電力需要はプラスマイナスゼロ。

 石油は、残念ながら2003年から需要減少が始まりました。4月1日に備蓄目標を決めるための5年間の需給見通しの委員会がありましたが、そこでも毎年1.7%ずつ減っていく方向性は変わらないからマイナスになる。LPガスは全体として微増するという方向性になっています。

 では都市ガスはどうでしょうか。直近は動きがありますが、少なくとも“失われた10年”以降の状況を見ていると、やはり増えています。ここはややこしい動きでして、たとえば家庭用ではオール電化に相当やられている。  それから、LPガス対都市ガスという点では、………本文の続きを読む>>>

超音波メータのご案内

矢崎エナジーシステム株式会社 ガス機器事業部 営業統括部 長嶋 誠治氏  千葉支店長 高崎 久

はじめに

 皆様、こんにちは。矢崎エナジーシステムの長嶋と高崎です。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。今年3月に新たな超音波メータを発売させていただきました。従来最大使用流量が2.5、4、6、10、16 m³を販売させていただいておりましたが、2.5 m³と4 m³につき、2機種の発売です。スタンダード品、ハイエンド品があります。以前の2.5 m³と4 m³は、今年2月に生産を中止し、3月から2機種を販売させていただいております。

EYメータ スタンダードについて

 では、まずスタンダード品についてご説明いたします。8年間販売している従来の超音波メータの機能をそのまま引き継いでいる部分と、今回、新たに追加・改良した部分がございます。

 新たに追加・改良した部分として、まずはさらなる軽量化。今までは1.85kgでしたが、1.45kgになりました。S型メータに比べると、約半分の軽さになりました。

 そして可視光通信。ハンディターミナルのすべてが使えるわけではありませんが、ハンディターミナルのソフトを改修していただき、受光部という光を読み取る機能をつけていただきます。そしてメータの復帰ボタンを長押しすると、ランプが約20秒間ほど点灯します。その間に受光部を当てていただく。すると、2~3秒でメータの検針やセキュリティの情報をとることができます。これを使うことにより、従来手で打っていた検針に比べ、誤りを防ぐことができます。また、セキュリティ情報を見逃すこともありません。

 次に、圧力式微少漏えい補助情報です。………本文の続きを読む>>>