第134回タスクフォース21
2019.4月例会

講演録

イマドキの買物 イマドキの暮らし

講師:マーケティングプランナー 本間 理恵子

動画ダイジェスト版

イマドキの買物

今をときめく“GAFA”

 こんにちは、本間です。以前、「男脳、女脳」というテーマでお話をさせていただきました。私はその考え方で買物というものを捉えるのが一番わかりやすいかなと思っています。今回もその延長でお話させていただきます。

 まず「イマドキの買物」です。暮らし全般に大きく関わってきているのは、“GAFA(ガーファ)”です。「知りたい」という希望にすぐ応えてくれるGoogle(グーグル)。そしてデザイン性に優れたApple(アップル)。持っているだけでイケている自分を演出できるツールであり、そこの気持ちを揺さぶることでメジャーになっています。Apple製品が出始めた1980年代後半には考えられないくらい今は誰もがApple製品を持つようになりました。

 そしてSNSの雄であるFacebook(フェイスブック)。人々には認められたいという承認欲求があり、それを満たしてくれるのがFacebookをはじめとするSNSです。「いいね!」がほしいがためにどんどん使っていると、いつの間にか自分が丸裸にされ、誰から見ても「こういう人なんだ」とわかるくらいのデータがネット上に拡散されています。

 最後に、買物ツールとしてAmazon(アマゾン)です。人間がラクをしたいという欲求をとことん果たしてくれます。それによって、私たちはいつの間にかAmazonなしではやっていけなくなってしまいました。

 これらを取り上げた『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(東洋経済新報社)という本が出たのは2018年7月でしたが、ベストセラーとなりました。アメリカではAmazonのおかげで、あれだけ流行っていたスーパーマーケットでさえ閉店の憂き目にあい、小売業がどんどん再編される時代になっています。

これらの企業は、消費者のビッグデータを持っており、情報分析することでさらに儲けているわけです。その情報利用をあまり勝手に利用していたがために、EUでは一般データ規制をかけ、個人データのEU外の流出や使用制限する法律ができています。日本でも追従するように、縛っていく流れにはなっています。しかし、データを持っている彼らの流れはまだまだ止まることはないと思います。

買物行動における“調達”と“お買物”

 買物行動には“調達”と“お買物”があります。この2つをはっきり分けて考えることが必要です。自分たちはどちらで勝負していくのかポイントを絞って組み立てていくという考え方です。

 まず“調達”とは、一番安くて高性能の商品を、効率よく買うもの。企業では物品調達、材料調達、店舗では在庫管理など。できるだけ在庫を少なくし、回転数を多くしていくためにはどうしたらいいのかという考え方です。

 これは企業だけではなく、家庭内でもやっているのではないでしょうか。シャンプーや洗剤というものをできるだけ切らさず、かつ家に在庫を少なくして回していくという考え方です。これは意外と大変で、奥様方は結構苦労しているのではないかと思います。そういうところをケアしてくれたのが、Amazonなわけです。………本文の続きを読む>>>

協同組合のシェアードサービス活用による新規事業展開のご提案

講師:エネルギー需要開発協同組合 代表理事 白川 勉

動画ダイジェスト版

はじめに

 皆様、こんにちは。「エネルギー需要開発協同組合」と名前が長いので、「エネ協」、「ECOOP(イーコープ)」で商標登録しました。このタスクフォース21のメンバー様のなかには、以前からお世話になっている方もいらっしゃいますが、私は1978年に三菱商事に入って以来、石油・ガスといったエネルギー関連の仕事をして参りました。1997年、国営電力会社に電気を販売する発電所プロジェクトでタイに赴任しました。ところが、アジア金融危機がありプロジェクトが停止になり、家族を置いて帰任、1999年からLPガス部長を拝命しました。

 当時、LPガスは元売が26社、小売が3万9,000社でした。過当競争で元売は赤字体質から抜け出せない時代でした。LPガス事業からは撤退覚悟で「立て直せ」という指示でしたので、出光興産さんと一緒に、元売業界の再編にチャレンジ、アストモスという元売会社をつくりました。続いてENEOSグローブさんができ、業界再編が動きました。古くなった輸入基地の立て直しなど、将来投資に耐えるだけの体力がようやくできつつあるのかなと思っています。

 アストモスでは企画本部長、管理の本部長、会長を歴任し退任しましたが、LPガスの仕事に非常に愛着がありましたから、自分の会社をつくり、コンサルタントをしながら、この組合を立ち上げさせていただきました。

 本日は、エネルギー需要開発協同組合(エネ協、E-COOP)のご説明をしたいと思うのですが、まだできたばかりの組合で、サービス内容もたいしたものはありません。本日いらっしゃるメンバーの皆様に、この組合をうまく使っていただきたいのです。電気、都市ガス小売り自由化の波が押し寄せる中で、直売件数でいうと数千から数万軒のLPガス事業者様のためにお役に立ちたいというのが、この組合の趣旨です。

 電力、都市ガス、LPガス、通信の大手は、苛烈な競争をする中で、大手同士ではアライアンスを組んで、自由化の波を乗り越えようとしています。一方で、中堅のLPガス事業者様は、電気、都市ガス、通信を含め、包括的にお客様と関わっていけるような事業展開に打って出たいと思っても、なかなか組む相手がいません。LPガス導入以来、ずっとお客様の保安と安定供給を担ってこられた中堅事業者様のために、この非営利団体の組合をうまく活用頂き勝ち残っていただきたいと強く願っております。

エネルギー需要開発協同組合とは

主なシェアードサービス

 中小企業組合法を準拠法とし、経済産業省関東経済産業局の認可を2016年にいただき、登記を完了しています。エネルギー自由化時代を迎え、家庭用エネルギー事業者様のためのシェアードサービスの開発・提供を目的として設立された非営利の協同組合です。

 設立から3年経ちましたが、いろいろなシェアードサービスの準備をしてきました。とりあえず小さいものですが準備ができましたので、今年から本格的に組合員様の募集に入ろうと思っています。

 皆様のなかには、すでに電気の小売を手掛けている方も多いと思います。「意外と儲からない」とか「簡単じゃないね」とかいった印象をお持ちだろうと思います。一方、外資系の新電力会社様がライセンス取得しています。自由化において先行しているアメリカは、先物市場でヘッジしながら組み立てる独特のプライシングを習熟しています。そういった市場活用のノウハウを持った外資系が参入してきます。

 電気とガスのセット販売ということもありますが、電気は電気として、再度捉え直してみることはできないかな、と思っています。またあらゆるマーケットが劇的に変化し、IT化が進んでいきます。一方、私どもの業界は非常にアナログでシステム投資をツギハギでやってきていますので、基幹システム、保安システム、顧客管理システム、自動検針システム、配送最適化システム……これらを一気通貫でやるシステムができていないのですね。システムを開発して導入しようというときに、かなりコストがかかってしまいます。コストがかかるシステム開発自体を、………本文の続きを読む>>>

電力自由化後の現況とエネルギーサービスの提案

講師:株式会社センカク 北出 武大

動画ダイジェスト版

はじめに

 初めまして。弊社は株式会社センカクという会社です。新宿センタービル37階にございまして、東証一部上場企業の株式会社ナックの関連会社です。ナックはダスキンのフランチャイズで日本一だったり、宅配水のクリクラをやったりしています。また、レオハウスという不動産会社もあります。グループ全体一貫して得意なのは、暮らしに密着していることです。

 経営理念として、主婦の三大労働(炊事・掃除・洗濯)を軽減するということがあります。ダスキンでお掃除革命を起こしまして、以前「家を買って掃除して水を飲んだ。それぜんぶナックです」といったCMもやっていました。

 そして次は洗濯革命を起こそうということで、コインランドリー事業をやらせていただいております。我々は「コインランドリーピエロ」という名前でやらせていただいておりますが、1都3県で250店舗展開しています。今年度から大阪に4店舗出させていただいております。弊社代表の西山はナックの創業者であり、経団連の理事をやっています。

コインランドリーの今

布団が洗えることで大注目

 本日お話させていただきたいのは、コインランドリー事業に投資してくださいということももちろんありますが、100万円、200万円というわけにはいきませんので、なぜコインランドリーが流行っているのかということです。そもそも、流行っているの? と思っている方もいらっしゃると思います。

 最近は、街を歩けばコインランドリーを見つけることができると思います。今度、気にして見てみてください。コンビニの跡地などを使って、コインランドリーができつつあります。右肩上がりの業界でして、新聞・テレビ等でも取り上げられていただいています。

 日本における三種の神器は、冷蔵庫、炊飯器、洗濯機と言われています。これは95%の普及率です。ですから皆さん、家に洗濯機はあるのですね。こちらにいらっしゃる皆様も、家に帰れば洗濯機があると思います。わざわざ外に洗濯しに行く需要は、あまりないとお思いではないでしょうか? しかし、昨今のコインランドリーは決してそうではありません。

 昔のコインランドリーは銭湯の隣にあって、独身者が使っているようなイメージがありました。暗い、怖い、汚いという“3K”。皆様の学生時代は、そのような場所だったのではないでしょうか。とくに女性は入りづらいですよね。

 ところが昨今のコインランドリーは非常に明るい、清潔、さらに快適です。明るい、清潔ならわかりますが、快適とはどういったものでしょうか。Wi-Fiが入っているためスマホでゲームをしたり、コーヒーが配られたりしています。また講演でもキャッシュレスのお話がありましたが、コインランドリーも“コインレスランドリー”になってきています。Suica(スイカ)をピッとやれば、すぐに使える。そういう意味でも快適な環境が整っています。非常に入りやすくなっているのですね。

 さらにコインランドリーが流行っている理由の1つに、布団が洗えるということがあります。さらに毛布、カーペット、カーテンも洗えるのです。それがウケているのですね。実は、服を洗う需要はそこまで高くなく、布団やカーペット、カーテン、またスニーカーが洗えるというところが、非常に受け入れられているわけですね。

 高温乾燥でダニを退治しますし、大型乾燥で時短にもなります。………本文の続きを読む>>>