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省令改正関連情報

2024年2月特別例会|エネ庁・日置室長が講演内容

警戒夏までに予定のガイドラインは “考え方”の提示

 2024年2月7日に東京都港区の航空会館で開催された本会・タスクフォース21の第161回例会(2月例会)での資源エネルギー庁資源・燃料部燃料流通政策室の日置純子室長の講演内容は以下の通り。

定量的基準提示は独禁法上難しい

 日置室長は、省令改正について「過大な営業行為の制限」「三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)」「LPガス料金などの情報提供」に罰則も含めて盛り込むととともに、通報フォームや関係省庁との連携で実効性を確保していくことを説明。さらに、「LPガス事業者、不動産関係者も含めた業界の自主的な取り組みが推進されていく中で、商慣行改革を進めていきたい」と強調した。

 夏までに策定予定の改正省令ガイドラインは、“考え方”を示す内容になるとし、例えば、過大な営業行為の中身を金額、期間などで定量的に示すことは、独占禁止法の観点から難しいと述べた。現時点における整理としては、そのままガイドライン化しないことを前置きした上で、「LPガス事業者の切り替えを容易とすれば、過大な設備貸与や紹介料など、1回限りの利益供与を行うインセンティブは自ずとなくなる」「継続的な利益供与(例えば LPガスボンベ設置スペースの賃借料、LPガス料金の一部のキックバック、不適当な広告宣伝費など)は、それ自体が契約切り替えの障壁となり得るため、そうした行為は特に望ましくないものとして位置付けることが考えられる。フリーメンテナンス契約も同様と考えられる」「ブローカーや仲介会社に対する成功報酬も、オーナーに対する利益供与と同様に望ましくないものとして位置付けることが考えられる」と例示した。

 ガイドラインの解釈・運用に当たっては、「LPガス事業者が個々の営業行為について、法令に違反しないと自信を持って、しかも対外的に第三者から“それは大丈夫だ”と言ってもらえるかどうか、そういったことを常に問いかけ続けながら業務に当たってほしい」と要請した。

 液石流通WGなどを通じた商慣行改革動向のモニタリングは、「今回の制度改正をやりっぱなしにしないということに尽きる。少なくとも3年間は今何が起こっていて、何が変わっているのかをしっかり見ていく」と述べた。

 戸建ての貸付配管は、今後の新規の契約で行わない方向で取り組んでいくことが期待されるという取り扱いにとどめる。ガイドラインでは、建物所有者と配管所有者を一致させることが、トラブルを防止する望ましい行為として位置付ける考えを明らかにした。貸付配管自体は、液石法で認められていて広く定着している制度であることから、状況を今後モニタリングして、例えば3年後に制度改正の要否も含めて検討していくとした。

機器・設備貸与はガス外ビジネス

 講演後の質疑応答では、会場のLPガス事業者などから実務面の対応を確認する質問がさまざまに出た。

 日置室長は、改正省令施行前の既存契約における無償貸与費用の回収について、改正が過去の契約にさかのぼって適用されないとし、請求内容から設備費用を外出した後も従来の料金水準のまま回収できると説明した。一方、既存契約でも新制度に移行することが望ましいと指摘。新制度への移行に際しては、オーナーや入居者による買い取り、オーナーあるいは入居者とのリース契約などさまざまな契約形態が考えられることを挙げ、「LPガスのビジネスとは実質的に別ビジネスといった形で設備費用を回収すること自体は、通常のビジネスとして正当化される」と強調した。

 全国LPガス協会の「LPガス販売指針」の取り扱いについては、業界の自主ルールとして定められている性質上、エネ庁側から改正の指示などは行わないものの、「今回ルールが変わっていく中で見直すべきところがあるなら、見直していただくことが望ましい」とした。液石法に基づく14条書面は、既存契約について再交付の必要性はないものの、新規契約では、改正省令の中身を反映したものにすることを求めた。

 三部料金制の徹底について、基本料金、従量料金、設備料金の内容基準を設けるか否かを問う質問には、今回の省令改正が、LPガス料金として消費者に請求するのに不適切な設備費用が紛れ込んでいる状況を解消することに焦点があることを説明。「取り締まりの場面では、消費者に見えない形で何か違う費用が入っているという不適切な状況を正していくといった、今回の改正目的に照らして考えるのが、判断基準になる」と答えた。

オーナーとの関係を見直す契機に

 本会は本講演の質疑も踏まえ、賃貸集合住宅での新規・既存契約や賃貸オーナーサービスのあり方について検討、情報交換を重ねていく。また、賃貸オーナーへの設備貸与や提供の当初の大きな目的である、LPガス物件の空室対策支援に立ち返り、オーナーとの関係性やサービスのあり方を考えるべきとも考えている。

 本会は、もともと1997年の液石法改正・省令改正に対応し、新交付書面についての検討を始めたことをスタートとしている。LPガスビジョン検討委員会の取引適正化論議の流れを踏まえて、新液石法に沿う交付書面の作成を行う過程で、顧客との契約を明確化するための「販売契約書」「設備貸与契約書」のひな型を業界に提示するなどしてきた。

 また配管や機器の貸与についても、既存業者が設備投資した顧客を、対価を払わずに切替する業者に対する対抗策として、設備所有権の明確化の必要を訴えてきた。こうした歴史的経緯や過去の議論を踏まえるとともに、現在と今後の状況変化に対応した販売や顧客との関係づくりについての提言を行っていく。

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